cinema eye
鑑賞日92/11/10(ビデオ)
ビデオになった時から評価の高かったこの押井作品をようやく見ることができました。うーん、これは確かにきてる、って感じですね。相当熟練度が高く 普通の人ではとてもついていけないマニアックさを感じました。もちろん、本当のマニアから見れば、きっと「このくらいでぇ?」と思うのでしょうが、うちの奥さんはずいぶん「???」があったようで見終わったあといろいろ質問をされました。
しかし、この独特のリズムや空気はなんなのでしょうね。ズーンと重たく暗い緊張感が画面をおおっていて、特に廃虚と化しつつある下町の描き方はそのリアリティに凄みさえありました。常に見ているものを落ち着かない不安な気分にさせるこの監督の演出の味わいと冴えは、今までの日本映画界にはなかったものです。僕はあまり押井作品は見ていませんが、もっとメジャーな世界で 撮ってくれたらどんな反響を呼ぶか楽しみですね。
今回の木戸銭…800円