cinema eye

『踊る大捜査線 The Movie』

鑑賞日00/1/15(ビデオ)
 ご存知大ヒットテレビドラマシリーズの映画版。昨年の日本映画でもっともヒットした作品ですが、熱狂的なファンではない僕には、それほどの作品とはとても思えませんでした。

 内容はドラマのいつものメンバーがいつものように活躍するだけで、相変わらず警察上層部はバカ丸出しだし、犯人の描き込みも物足りない。ゲストの小泉今日子も、もっと見せ場があっても良かったんじゃないのかな。誘拐と窃盗と殺人の3つの犯罪の絡み方が弱く、これではとてもハリウッド製刑事映画とはタメを張れません。あくまでも出来映えはドラマのスペシャルレベル。ファン向けで、劇場で見るまでもなくビデオで十分です。

 気になったのは『羊たちの沈黙』や『天国と地獄』のあまりにもわかりやすいパロディ。これは作り手は映画版ならではの遊び心というように解釈して欲しいところなのでしょうが、どうもテレビ屋さんが映画を作ったことでのコンプレックスの裏返しに見えてせつないです。考えすぎかも知れませんが。

 まあドラマ自体は質の高い面白い作品だっただけに、映画もその延長線上で考えれば良くできているとは思います。しかしあくまでもファン向け。テレビの延長にあるという上での評価でしかなく、映画を作品単体として考えたら、ちょっとね、という出来ですね。

今回の木戸銭…700円