cinema eye
鑑賞日03/9/30(劇場)
前作に続き、いや前作を超えたメガヒットになったパート2ですが、内容的には相変わらずテレビのスペシャル版という程度です。なぜこれが日本映画史上に残る大ヒット作になってしまうかというと、結局テレビ局に踊らされているだけということでしょう。ビデオで見れば十分でした。
相変わらず人物造形はわかりやすいくらいわかりやすく作ってあります。バカでもわかるように記号化してあると言ってもいいでしょう。特に今回は柳葉敏郎演じる室井管理官を正義の味方にするために、真矢みき演じるヒールの女性管理官が登場しますが、このキャラクターがまた「こんなヤツいないよ」的にマンガチック。世が世なら女性団体から糾弾されてもおかしくないくらい女性蔑視的描き方です。
で、この女性管理官が更迭されて、ギバちゃんが復帰し「現場の判断でやれ!」と指示した途端に、一気に事件は全て解決、めでたしめでたしです。思わず唖然としてしまいました。今まで本庁のエリートたちは一体何を捜査していたのか、そして湾岸署の連中もどんな情報を隠していたのかわかりませんが、とにかく指揮系統もなしで勝手に走り回ってのスピード解決。あまりにもご都合主義。警察をバカにしていませんか?
犯人を追い詰める時も織田裕二がただ一人、車を追って走るだけ。わざわざ止まって待ってくれる犯人たち。左胸を撃ち抜かれたはずの深津絵里は、あっさり何事もなかったかのような顔をして復活しているし、ユースケ・サンタマリアのネゴシエーターぶりのヘボさ加減、それに惚れる水野美紀もおかしいぞ、という印象。
酷評しているようですが、決してつまらないという訳ではありません。アラだらけの映画ですが、勢いがあって笑いがあって、あくまでもテレビドラマのファンが「映画になった踊る大捜査線」を見てみたいという欲求は十分に満たしています。上にあげつらったことも、ファンなら「それでいいんだ」ということでしょうし、実際僕もそういうものだと思って見ていました。いわばファン向けの作品なので、ファンでない人、テレビドラマを見たことがない人にはお勧めしないというだけのことです。
今回の木戸銭…800円