cinema eye
鑑賞日02/10/18(ビデオ)
ラスベガスのカジノの金庫を襲う痛快な強奪サスペンス映画。どうやって厳重な警戒をくぐり抜けて、しかも1億6千万ドルもの現金を運び出すか、その鮮やかな手口が見せ場ですが、本当の魅力はハリウッド5大スターの競演にあります。
11人の仲間を集める主役のオーシャンにジョージ・クルーニー。その相棒でサブリーダーにブラッド・ピット。若い天才スリにマット・デイモン。対するカジノのオーナーにアンディ・ガルシア。そしてジョージ・クルーニーとアンディ・ガルシアが争う美女がジュリア・ロバーツ。名前だけではなく、ちゃんと現役で客を呼べるスターが揃った豪華絢爛なキャスティングです。
ただ残念なのは、やはり豪華キャストにありがちなことですが、それぞれに見せ場を作らなければならないために、どうしても脚本が粗くなってしまったことです。この手の映画は名作『スティング』を例に出すまでもなく、どうやって相手も、また映画を見ている観客をも騙せるか、という脚本こそ一番肝心要なのですが、ちょっと荒っぽいご都合主義が多いし、強奪トリックにも新味がありません。もっときめ細かく描いて欲しかったのに、スターの顔を見せることに時間を奪われてしまった感がなきにしもあらずです。
個々のスターのファンには見せ場があって良いかも知れませんが、そこに興味がないと「そこそこ」よく出来た、という程度の作品でした。面白くないわけではないので、時間潰しなら十分ですけど。
今回の木戸銭…1100円