cinema eye

『マトリックス』

鑑賞日00/11/3(ビデオ)
 日本のアニメやゲームというのは、多分日本人が思っている以上に、外国のクリエーターに影響を与えているのでしょう。この『マトリックス』は、まさに日本の誇る2大オタク文化が影響を多大に与えて生まれたサイバーSF。影響が濃すぎてかえって笑えてしまうのが難点ですけど。

 21世紀の初め、A.I.(人工知能)が単一の意識をもつようになり、自分たちが主導権を握ろうと反乱を起こす。A.I.による支配と戦っているごく限られた人間たちは、予言者が語った人物を待ち望んでいた。そして、ネオ(キアヌ・リーブス)が選ばれた。この世を人間の手に取り戻すことのできる“救世主”として・・。

 とまあ、いかにも日本のOVAにありそうな設定です。見ていても、ちょっと我々にはストーリーが陳腐すぎますし、監督自らが語っているように、日本のアニメをそのまま実写にしたような映画ですから、随所に突っ込みどころ満載。正直言って笑いながら見ないではいられない作品です。

 見どころはやはり最新技術を駆使したアクションシーンということになるんでしょうが、はっきり言ってこれもパロディのようにしか見えません。生身の肉体で同じようなことをやろうとするジャッキー・チェンには感動を覚えますが、この『マトリックス』になると、やりすぎという印象が強いですね。

 キアヌ・リーブスはこの手のキャラクターを演じさせるとはまります。顔が整い過ぎていて人間味が薄いから、こうしたサイバーな役柄はぴたりときます。この路線がはまり過ぎると、これからが辛いかも知れませんが。

 パート2が企画されているらしいですが、すでに先が読めますね。まあ暇つぶしには面白い映画だと思います。

今回の木戸銭…1100円