cinema eye

『ラブ&ウォー』

鑑賞日97/11/3(劇場)
 アメリカの誇る大作家アーネスト・ヘミングウェイの実話を元にした恋愛映画。いかにも実話らしいリアルなストーリーがグッときます。監督リチャード・アッテンボローの抑制の効いた演出が際だっています。

 第一次世界大戦末期のイタリア。アメリカから志願してやってきた看護婦アグネス(サンドラ・ブロック)と、志願兵アーネスト(クリス・オドネル)。アーネストが前線で負傷して野戦病院に担ぎ込まれ、2人は出会います。8歳も年下のアーネストを「キッズ」と呼び最初は相手にしていなかったアグネスも、徐々に彼に惹かれていきます。しかし、アグネスはイタリア人医師からも求愛を受け、2人の間で気持ちは揺れ動く。やがて終戦。帰国するか、イタリアに残るかの選択をアグネスは迫られることになります。

 サンドラ・ブロックが物静かで大人の女性をしっとりと演じています。どちらかというと『スピード』や『ザ・インターネット』のような元気な役の多い彼女ですが、今回はかなりイメージを変えてきました。ドイツ系という役柄らしい落ち着いた雰囲気は十分に出ていたと思います。またアーネストを演じたクリス・オドネルは、ついついロビンを思い出してしまいますが、まあ「キッズ」と呼ばれるには相応しいところでした。最後のシーンでようやくヘミングウェイらしい風格が漂ってきますが、このあたりは監督の手腕かも知れません。

 ちょっと中盤で中だるみする感じはありますが、全体としてはヨーロッパ映画のような落ち着いた映像で、クラシカルにまとめられていて良いと思います。

今回の木戸銭…1100円