cinema eye

『ラストマン・スタンディング』

鑑賞日97/12/7(ビデオ)
『48時間』や『ストリート・オブ・ファイヤー』などを監督したウォルター・ヒルが、黒沢明の『用心棒』を翻案し、ブルース・ウィリス主演で作った西部劇。かつて『七人の侍』を『荒野の七人』に翻案したのと同じ手法です。

 ストーリーは禁酒法時代のアメリカ。メキシコ国境に近い小さな町。2組のギャングが抗争を繰り広げ、無法地帯となっているところへ、ブルース・ウィリスがフラリとやってきます。彼は両方のギャングの間を行き来しながら、ギャング団を壊滅に追い込んでいきます。しかし、クールに行動していた彼も、それぞれのギャングのボスの情婦に情けをかけたために、危機に陥ってしまいます。

 単純なギャングを相手に一人で頭と力を駆使して立ち回る主人公、という設定は当然『用心棒』をそのまま西部劇に移し替えているだけなので面白いのですが、そこにブルース・ウィリスらしい「ぼやき」も入り、またウォルター・ヒルならではのハードなアクションも加わって、結構見応えがある西部劇に仕上がっています。難点は少々相手に不足ありでして、もう少し魅力的な脇役が揃っていたらと思います。それと幾らヒーローに弾は当たらないの法則とは言え、ああも簡単に倒せてしまうのも、ちょっと興ざめで、苦労が足りない感じですが、これもチャンバラだと思えばいいのかも知れません。

今回の木戸銭…1000円