cinema eye

『交渉人』

鑑賞日00/4/18(ビデオ)
 アメリカでも日本でも人質をとって立てこもるような犯人の逮捕には骨が折れます。強行突入するか説得して投降させるか。アメリカの説得専門の警察官「交渉人」が、この作品の主人公です。

 映画は最初「交渉人」が見事に任務に成功するところから始まります。しかし彼のパートナーが警察内部の不祥事について彼に話そうとして殺され、しかもその犯人に仕立てあげられてしまいました。自らの汚名をそそぎ真犯人を見つけだすために、交渉人は人質をとって立てこもり、もう1人の交渉人を対応役に指命します。2人の優秀な交渉人の駆け引きが始まります。

 ということで、弁論の国アメリカならではの作品です。警察内部の犯行のために誰が見方か敵かわからない中で、2人の交渉人が智恵をフルに絞って戦います。サミュエル・L・ジャクソンとケビン・スペイシーががっぷり四つに組んでのやり取りが見事ですが、それ以上に脚本が良く練られていて最後まで目が離せません。惜しむらくは、あまりにも真犯人当てを難しくしようとし過ぎたためか、真犯人ではない警察官まで全て怪しく演出してしまい、かえってこいつは違うのではと思われてしまうところですね。最後に「あれはなんだったんだ」と思うようなところが残ってしまうのが玉に瑕です。

 とは言え、本当に手に汗握る展開ですし、なんと言ってもケビン・スペイシーが魅力的。この人、本当に最近何に出ても良いですね。オスカーを取るのもよくわかります。

今回の木戸銭…1500円