cinema eye

『ジャッキー・ブラウン』

鑑賞日98/4/22(試写会)
 クエンティ・タランティーノ監督待望の第3作監督作品。今回は初めて女性を主役に据えたサスペンスです。スチュワーデスのジャッキー・ブラウン(パム・グリアー)は、武器の密売人オデール(サミュエル・L・ジャクソン)の運び屋。しかし、オデールを逮捕しようとする連邦捜査官レイ(マイケル・キートン)にマークされ、オデール逮捕のための協力を迫られる。ジャッキーは自らの生き残りをかけて、サバイバルを始める・・・。ということで、かなり複雑で全体の筋書きがなかなか読めない作品です。キャストは他にロバート・デ・ニーロ、ブリジット・フォンダ、ロバート・フォスターら。結構豪華な配役です。

 脚本はかなり練り込まれています。登場人物それぞれの思惑が入り組んでいて、それが見ている方にはわからないような演出もそそります。クールでハードでドライ。さすがタランティーノ、という感じです。ただ、ちょっとテンポが悪く間延びしたところも随所にあって、眠くなってしまうような箇所もいくつかありました。無駄なシーンと一概に切って捨ててしまっていいのかどうかとは思いますが、もう少し短くしても良かったのではないかと感じました。

 主演のパム・グリアーはまあまあですが、彼女に協力するマックス役のロバート・フォスターとサミュエル・L・ジャクソンの対決は見物です。それとロバート・デ・ニーロ。ちょっと呆けてきたオデールの相棒を演じていますが、かなり勿体ない使い方です。軽く演じていますが、もっとデ・ニーロらしい迫力ある役を演じて欲しかったですね。

 全体的につまらなくはないですが、期待が大きすぎたせいか、見終わった後、少し物足りない感じがしました。もっともっと緊張感が欲しかったかな、という印象です。

今回の木戸銭…1200円