cinema eye
鑑賞日02/6/22(ビデオ)
昨年公開されて大ヒットした『ハリー・ポッターと賢者の石』。原作も世界中で大ヒットしていて、その映画化ということで話題性は十分です。
この映画、ファンタジーらしい雰囲気を良く作り出しています。一番に誉めるとしたら、何と言っても美術であり、次に魔法魔術を映像化した技術、そして三番目に子役達の達者な演技。この三点においては素晴らしい映画であり、ある意味、これだけでハリーポッターの世界に浸れて満足できます。そう、ハリー・ポッターファンにとっては、あの独特な作品世界を目で見えるように映像化してくれただけでも嬉しいのではないかと思いました。
ただ、分厚い原作をわずか2時間半の映画に閉じこめようとした以上、脚本には相当の無理も生じています。ストーリーはぶちぶちと途切れ、エピソードの羅列ばかり。ひとつひとつのエピソードをもっと丹念に描いてくれれば楽しいだろうに、なんだか「あらすじ」を見せられているような気がして物語としての完成度はかなり低いと言わざる得ません。本当なら26回くらいの連続ドラマにして欲しいところです。
この作品をどういう観点で見るかによって、評価はかなり変わってくることでしょう。ファミリーで楽しめる子供向けファンタジー映画として見るなら、かなり高得点ですが、大人の映画ファンが「作品」として向き合うには荒削り過ぎます。僕はあくまでもファミリー映画として最初から見ていたので、それなりに楽しめました。
今回の木戸銭…1200円