cinema eye

『ハーレムナイト』

鑑賞日90/9/15(ビデオ)
 ご存じエディ・マーフィーの『ハーレムナイト』をようやくビデオで見ることができました。『48時間』以来のエディのファンとしては、やっぱりあんまり売れなかった映画でも見とかなきゃ、と実は期待せずに見たんですが、意外や意外、結構楽しめるではないですか。

 むろん、『ビバリー〜』や『大逆転』などのアップテンポの明るいコメディではないので、そうした映画を期待している(大半のエディファンはそうでしょうね)人にはちょっと、というやつでしょうが、これはエディ版の物凄く下品な『スティング』なんですね。とにかく言葉遣いの酷さと言ったらすさまじいし、あっさり人は殺すし、黒人の無教養ぶりをバカにするようなキャラクターがどんどん出てくるし(でも黒人に対する愛情ある描き方をしています)、最後だって敵役のギャング一味をドーンと爆発させてあっさり殺しちゃうし…。とにかく『スティング』の洗練された、いわば気取った世界に比べると、東京の落語に対する大阪のどつき漫才くらいの落差があります。

 でも全編通して夜のシーンばかり。ハーレムの夜を舞台に下品なまでにエネルギッシュな黒人たちが白人のギャングのボスの裏をかいて大儲けするというサスペンス・コメディとしては、けっこういける作品だと思います。いやいや、とにかく言葉遣いの酷さが最高ですから、それだけでも見る価値がある(?)というものです。

今回の木戸銭…1000円