cinema eye

『グラディエーター』

鑑賞日01/4/22(ビデオ)
 ローマ帝国がヨーロッパ全土を制覇しようとしていた頃、老いた皇帝の信頼厚い将軍が、若き後継者によって破滅し奴隷にまで身を落としながらグラディエーター(剣闘士)となって復讐を果たす物語。制作費をふんだんに使った絢爛豪華な絵巻物語という趣ですが、アクションシーンもふんだんにあり、一大エンターテイメント作品に仕上がっています。

 ストーリー自体ははっきり言って陳腐です。たまたまローマ時代を舞台に していますが、それを古代中国にしようと、中世イギリスにしようと、戦国時代の日本にしようと、全く問題ありません。古今東西、共通する普遍的な物語です。

 みどころは、やはり映画ならではのトリップ感にあります。戦闘シーンの迫力、皇帝の部屋の怪しさ、アフリカの空気、コロシアムの臨場感。それらをひたすら追い求め作り上げられた世界に身を浸すことによって、観客はローマ帝国を疑似体験することができます。これぞ映画の楽しみ、と言った雰囲気がプンプン匂う作品です。

 主演のラッセル・クロウが良いです。人間臭さと超人ぶりのバランスが取れています。これがシュワちゃんだったら、超人過ぎてマンガになってしまいそうでした。

 それと、集団での戦闘シーンや、チャンバラシーンには黒沢映画の影響を色濃く感じました。あまり縁のないローマ時代を舞台にしながらも、そのあたりで日本人にも親しみやすい作品となっているような気がします。

今回の木戸銭…1300円