cinema eye

『フォーエバー・ヤング』

鑑賞日94/1/8(ビデオ)
 メル・ギブソンのファンタスティック・SFコメディ(?)『フォーエバー・ ヤング』をビデオで見ました。僕はこの映画は、実はもっとバタバタしたタイムスリップモノのアメリカ版浦島太郎だと思っていたのですが、意外や大人しい映画でした。

 50年も冷凍人間でいて、手違いから現代に甦ってしまった、という設定ならもっとこの映画にはいろいろなエピソードが盛り込めると思うのですよね。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズと基本的なスタイルは同じなんだから。もっとメル・ギブソンは50年後の世界にとまどっていいはずだし、珍騒動を起こしても良さそうなものなのに、すんなりと馴染んで生活している。もちろんそれをやってしまうと、結局BTTFの2番煎じになってしまうことは否めないからこそ、あえてそういうドタバタは避けたのかもしれませんが、それにしても、あまりに素直に現実を受け入れて順応しているいる主人公に、かえって現実感が薄れてしまうような気がしました。

 映画それ自体はよくまとまっていると思いますが、全体の演出にケレンがなさ過ぎて、少々食い足りなさを感じさせる仕上がりではないかと思いました。

今回の木戸銭…1000円