cinema eye

『ディック・トレイシー』

鑑賞日91/1/25(劇場)
 面白く飽きさせない映画でした。その魅力の最大のポイントは、やはりアメコミの世界をそのまま動かしたような絵づくり。時として登場人物たちが一瞬アニメではないのかと思わせるほど、徹底した作り込みは並々ならぬ努力が、いや、スタッフの「おもしろがり」ぶりが感じられ、その情熱がビシビシ伝わってきて映画がますます面白くなっている、て感じです。

 ストーリーは比較的単純、そのまま普通の映画のスタイルにしたら、平凡な映画になっていたと思いますが、なりきっている役者たちのノリの良さが、それを水準以上のエンタテインメントに仕上げています。ウォーレン・ベイティも良かったけど、とりわけ目立ったのがマドンナの活躍。この映画は彼女のものだったと僕は思います。まさにあの手の役にふさわしい記号化されたヒロイン。マドンナの人工的に作られたような美しさははまり役だったとおもいます。

今回の木戸銭…800円