cinema eye

『デモリションマン』

鑑賞日94/11/20(ビデオ)
 デモリションマン(破壊屋)と呼ばれる刑事が、未来で大暴れするシルベスター・スタローンのSFアクション。スタローンが作ったBTF2だと思えば結構近いかもしれません。

 凶悪犯を捕まえながら人質を殺してしまったせいで冷凍刑にされた刑事。しかし、なぜか同じように冷凍された凶悪犯が36年後の未来で逃亡し、凶悪な犯罪もなく平和に慣れきったたその時代の警察ではとても対応しきれずに、刑事もまた解凍される。しかし一見ただのアクシデントのように見えたこの事件の裏には、実はそれを操る影が。。。という映画です。

 まあストーリー部分はさすがに単純でわかりやすいのですが、見所は相変わらず派手なアクションと、何と言っても凝りまくった2032年の世界。クルマやコンピュータなどの未来関係では必ず凝るメカ部分はもちろん、ファッションや流行、あいさつなど細かい部分でもいろいろと仕掛けがこらされています。シュワちゃんが大統領になったというようなギャグも随所にちりばめられていて結構笑えます。

 そして、社会自体が理想化されて汚いものを排除しようとしたために、かえって人間らしい生活ができず住み難い社会になってしまっているというアイロニーが映画全体のメッセージのようになっていて、いかにもファッショを憎む自由の国アメリカらしい映画です。メッセージ自体は底の浅い描かれ方ですが、それだけに単純化されていてわかりやすいところは、スタローンらしくていいかな、と思いました。

今回の木戸銭…1100円