cinema eye

『恋はデジャ・ブ』

鑑賞日94/10/15(ビデオ)
 ビル・マーレイのハートフルなコメディです。

 ピッツバーグのTVの天気予報官であるフィル(ビル・マーレイ)は毎年2月2日に行われる田舎町でのもぐらによる春の訪れを告げる行事の取材にカメラマンと女性プロデューサーと3人で行く。フィルは不満たらたらの取材なのだが、前日に町に入りなんとか済ませて帰ろうとすると吹雪のためピッツバーグへの道路が封鎖、仕方なくその町に戻る。翌朝目覚めると、なんとそれはまた2月2日だった。なにからなにまで昨日と同じ今日に驚くフィル。そして、また次の日も、また次の日も。いつまでたっても朝起きると2月2日。フィルはこの状況を打破しようといろいろ試み、果ては自殺まで幾度も試みるが、それでもまた同じ朝が訪れる。そして・・・

 ということで、どうやってこの閉じた世界からフィルが抜け出したかは書きませんが、なかなか面白い映画でした。この設定で思い出すのは『うる星やつら2〜ビューティフル・ドリーマー』ですが、こちらはアニメではないだけに、もっと現実的(こういう映画で現実的というのもおかしいですが、同じ日が繰り返すということ以外は全て現実に起こりそうなことですから)で、特にフィルの心理の変化が一番の見所です。最初は驚きとまどい、いろいろと悪いことをしてみて、結局絶望、そしてそこから立ち直っていく過程が、なかなか泣かせます。

 ビル・マーレイの映画って、完全なドタバタやナンセンスというよりもこういうちょっと変わった設定でのハートフルな心理コメディが多いですね。「3人のゴースト」「おつむてんてんクリニック」なんかもそうでしたがこれも同じ流れをくむ佳作だと思います。

今回の木戸銭…1300円