cinema eye

『クライイング・ゲーム』

鑑賞日94/8/1(ビデオ)
 『クライイング・ゲーム』をようやくビデオで見ることができました。物語はIRAの戦士が、誘拐した兵士と、いつしか心の交流をもち、兵士が死んだ後、兵士の恋人を訪ねて、やがて彼女と恋に落ちる。しかし、IRAの生き残りが現れて彼にもう一度テロを命ずる、、、ということで、サスペンスなので詳しくは書きませんが、なかなか一筋縄ではいかないストーリー展開で、見る者をだんだんと引き込んでいきます。

 映像は常に暗いトーンで、サスペンスっぽさを盛り上げますし役者もみな渋目で、そういう点でも映画世界に入り込みやすい感じでした。しかし、この映画はサスペンスというよりも本当の大人の恋愛ドラマと僕には思えました。愛するということは、どういうことか、それを淡々と描いている映画です。実際サスペンス部分より恋愛部分に力が入っている気がしました。

 ちょっともたつき気味で、テンポがあまり良いとは言えませんが後半になるほど盛り上がってきますので、そこまで我慢して見れば面白いと思います。スピルバーグの映画みたいにわかりやすくて人の目を離さないというタイプの映画ではないですから、そのあたりが一般受けしないかな、と思いましたが。

今回の木戸銭…900円