cinema eye

『クリフハンガー』

鑑賞日94/9/13(ビデオ)
 シルベスター・スタローンの登山アクション(?)映画の話題作をようやくビデオで見ることができました。やはりこの人は、この手のサバイバル映画でないと本領を発揮できませんね。ひたすら、はらはらどきどきの連続で、この手のアクション映画の王道を言っています。恋と友情もちゃんと盛り込んで、手慣れた作りですが、それでも思わず圧倒されるのは、ロッキーの雄大な山並みのせいでしょう。舞台がいいですね、とっても。

 言わば雪山が舞台の『ダイ・ハード』という映画なのですが、ちょっと悪役の魅力に欠けるのが残念です。最初から杜撰な計画も頭が悪い感じがするし、やたらと殺しまくる残酷さだけで、どうも悪の魅力が乏しい感じです。しかも仲間が最初からいがみ合っていて、あれではどうせ仲間割れするな、というのが見えているし。大体あのボスでは下がついてこないのも仕方ない気がするし。やっぱり悪役にはカリスマ性が欲しいですよね。そうじゃないと主役が引き立たない。

 それと全体に細かい所でリアリティが乏しいのも気になりました。雪山に落ちたトランクは、あまりに簡単に見つかるし(だいたいすぐにたどり着けるようなところにばかり落ちているのも不自然だし)、あれだけ撃たれても決してスタローンには当たらないし、そもそもTシャツ1枚で吹雪の中を歩いたり、川に落ちたりして平気なのが凄い。そういう意味では、かなり「ランボー」濃度が高い映画でした。いつランボーになって暴れ出すのか、とついつい期待してしまいました(笑)。

 あまり細かいことは考えずに楽しめば、かなり面白い映画です。暇つぶしには最適かな。

  今回の木戸銭…1100円