cinema eye

『クール・ランニング』

鑑賞日95/10/17(ビデオ)
 1988年のカルガリー冬季五輪に出場したジャマイカのボブスレーチームの奮戦ぶりを描いた実録風のスポーツ映画。明るさとユーモアと希望に満ちた、いかにもディズニーらしいスポーツ映画で、安心して楽しめます。

 話としては極めて単純かつオーソドックスでして、普通では考えられないようなハンデを背負いながら、個性豊かなキャラクターがチームとなって、各自の問題をクリアしつつ夢のような目標に突き進み実現するという、スポーツ映画の王道をいくものです。ただこの作品の凄みは、絵空事のようなストーリーが実は実話に基づいている、ということで、その事実が映画に重みを増しています。とは言え、そういう事実がなかったとしても個々のキャラクターはよく描かれていますし、エピソードも楽しいし、カメラワークも達者だし、十分に楽しめる仕上がりですが。

 欲を言えば、これはディズニー映画の限界なのかも知れませんが、もう少しラテンの若い男の子たちらしいはちゃめちゃさを描いて欲しかったですね。妙にみんな優等生だったのが、ちょっと面白くないと思います。それと、せっかくオリンピックを舞台にしているのだから、いかにもオリンピックらしい華やかさも、もっと表現されていると、より楽しい映画になったことでしょう。ちょっとそのあたりの予算を削って作ったかな、という印象を受けました。

 まあそれにしても良くできた良質の作品だと思います。こういう明るくて楽しいスポーツ映画を作らせたら、やはりアメリカにはかないませんね。

今回の木戸銭…1500円