cinema eye

『チャンス!』

鑑賞日97/11/3(劇場)
 ウーピー・ゴールドバーグ主演のビジネス・コメディ。アメリカ映画らしい明るくポジティブな楽しい映画です。

 舞台はニューヨーク・ウォール街。証券アナリストとして活躍するローレル(ウーピー・ゴールドバーグ)は、実力十分にも関わらず同僚に出し抜かれ手柄を独り占めされる。怒って会社を辞めて独立したものの、ウォール街には男女差別が根強く残っていて、今までの顧客にも相手にしてもらえない。困り果てたローレルは、「カティ」という架空の男性パートナーをでっち上げる、というストーリーです。もちろん楽しいのは、架空のパートナー「カティ」を巡る騒動。何とか彼に会おうとする顧客やマスコミと、それがばれないように四苦八苦するローレル。しかしとうとう話をごまかし切れずに、彼女自身が白人男性に大変身して登場するところが最大の見物です。

 実際、ウーピーの白人男性ぶりは大したものです。ちょっとバロック期の作曲家みたいな雰囲気ですが、とにかく女性とはとても思えないような変身で、よくぞここまで、という感じです。ストーリー自体も良くできていて、ラストのカティのスピーチに至るまで飽きさせることなくテンポよく物語は進んでいきます。 女性差別をバッサリ切るところも嫌味がなくて、こういう映画を作らせたら、やはりアメリカは大したものですね。マイケル・J・フォックスの『摩天楼はバラ色に』、メラニー・グリフィスの『ワーキング・ガール』、そしてウーピー自身の『ジャンピングジャック・フラッシュ』あたりと遜色ない面白いコメディです。

今回の木戸銭…1300円