cinema eye
鑑賞日94/1/29(ビデオ)
ご存じディズニーの『美女と野獣』をビデオで見ました。魔法使いに野獣にされた王子が、本当に愛する女性と出会えたら元の姿に戻れるというおとぎ話をいかにもディズニーらしいミュージカルに仕立て上げています。
音楽やアニメーションの美しさはさすがディズニーという感じですが、やはりおとぎ話、物語自体は当たり前のことながら予定調和の世界なので、はっきり言って退屈でした。細かい演出などを楽しむことはできましたが、大人の鑑賞に耐えうるものだというレベルには達していないと思います。
それはこの映画が子供のために作られたのか、大人のために作られたのか、そこがあいまいで中途半端だと感じられるからです。同じディズニーの作品でも、物語自体は一見子供向けながら十分大人も楽しめる作品もあるというのに、この『美女と野獣』はどうして大人の映画として物足りないのか?それはこの映画の最大にして唯一のテーマが「恋愛」だからです。子供が純粋に楽しむには妙に暗い難しい話だし、恋愛映画として見た場合、男女の心理の機微の描き込みが足りず、あまりに稚拙過ぎるために物足りなく感じるのだろうと思います。強いて言えば中学生くらいならちょうどいいのかもしれません。
結局この映画で見るべきは、あくまでもアニメーションであり、そのアニメーションと連動するミュージカルシーンであるとするなら、もっとディズニーに大きな期待をしてしまう僕としてはそれだけでは残念です。
と言うわけで、質の高い良いアニメーションであることは確かですが、期待したような映画ではなかった、というところでした。
今回の木戸銭…700円