cinema eye
鑑賞日00/12/24(ビデオ)
映画の冒頭に「決してこの作品の秘密を人に話すな」と主演のブルース・ウィリスからのメッセージがあります。確かに、それを言ってしまったら台無し、というストーリー、と言うより、それだけで持っているような作品でした。
ブルース・ウィリス演じる小児精神科医は、かつての患者の心を救えなかったことを悔やんでいる。そこに、その患者と同じような悩みを持つ少年コールがあらわれる。この少年を救うことで、自分も救われると思った精神科医は、家庭を崩壊させるほどの熱意でカウンセリングをするが、、、という設定です。これ以上は明かさない方がいいでしょう。
とにかくホラー風味のサスペンス映画というか、ほとんどホラー映画なんですが、最後にきてヒューマンドラマになるというか、ちょっと変わった趣向の作品であることは確かです。最後の「秘密」まで、かなり緊迫した雰囲気で映画は進んでいきます。が、だからと言ってラスト以外はとりたてて面白いというわけでもありません。とにかく「落ち」だけの映画であり、その前すべてが落ちのための「前振り」なのです。
全然ジャンルは違いますが、僕は大好きな名作『スティング』を思い出しました。あの作品も最後の「落ち」が見事に決まった映画だったので、この作品とそれだけで重なりました。もちろん、『スティング』の方が上質ですが、これも悪くはありません。
最後に、この映画は少年コール役のハーレイ・ジョエル・オスメントの演技を見るだけでも価値はあると思います。最近は日本の子役も上手くなったとは思いますが、まだまだ彼我の差は大きいようです。
今回の木戸銭…1300円