cinema eye
鑑賞日97/5/15(ビデオ)
ブルース・ウィリスとブラッド・ピットの共演、そして監督があのテリー・ギリアムということで公開時に話題を呼んだSFサスペンス映画『12モンキーズ』。噂に違わず面白い出来映えでした。
映画は一種のタイムスリップものですが、さまざまな伏線が序盤から張られていて、それが徐々につながっていく様は、なかなか見応えがあります。もちろんよく見ていれば「ああ、これはこういう伏線だな」ということもわかるのでそれほど難解なサスペンスではないのですが、見終わった後に、もう一度見て確かめたくなるような映画に仕上がっていることは確かです。
映像的にはテリー・ギリアムらしい病的な絵作りで、そこにブラッド・ピットがよくはまっています。この映画を見てもブラピはロバート・レッドフォード的大根スターでは収まらない「役者」としての素質を感じさせますが、逆に2枚目スターとしては辛いかも知れません。看板となる2枚目スターは演技派よりも少々大根の方がいいと思うからです。
ブルース・ウィリスは、いつものように汚い冴えないオヤジですが、それは味だから良いとして、今回はマデリーン・ストウがかなり魅力的です。唯一画面の中でまともに見えた彼女が、徐々に巻き込まれて変になっていく様が心地よいです。
細かなところでは突っ込みを入れたくなるようなところもありますが、強引に押し切ってしまう演出にとりあえず良しとしましょう。
今回の木戸銭…1300円