cinema eye

『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』

鑑賞日98/10/4(ビデオ)
 すっかりかつての輝きを失ってしまった007シリーズ。新しいボンドのピアース・ブロスナンはよくやっていると思いますが、なにせ「エルセラーン」の人、という感じですしねぇ。その中、今回は巨大ジャーナリズムの首領が、自ら英中間に戦争を引き起こしてそれをネタに儲けようとしているのを、中国の女スパイとともに防ぐという、ちょっと20世紀末らしい(?)設定で登場しました。

 まあスパイ冬の時代に確かに良く頑張ってはいるのですが、いかんせんやはり本来の枠組みが古すぎて、もはやパロディにしか見えないところが残念です。見方を変えれば「寅さん」のように偉大なるマンネリを楽しむべきなのかも知れませんが、作っている方にその意図がない(ように見える)以上、やはり古いとしか言えません。もっとも僕は結構そのズレ具合を楽しませてもらいましたから、そんなに退屈もしませんでしたが。

 今回唯一の収穫は北京の女スパイ役で登場したミッシェル・ヨーのアクション。ジャッキー・チェンの映画を見ているような彼女の大胆なアクションシーンは、久しぶりに007に躍動感を生み出しました。21世紀につながるボンドガールだと思います。

  今回の木戸銭…1000円