cinema eye

『007 ダイ・アナザー・デイ』

鑑賞日03/12/28(DVD)

 女王陛下のエージェントだったとても渋いジェームズ・ボンドが、20作目にして華やかで軽いハリウッドに魂を売ったような作品です。これを面白いと感じるか、それとも007よお前もか、と取るかは、どれくらい昔からボンド映画を見てきたかによるかも知れません。

 サーフィンをしながら敵国(北朝鮮)に潜入したり、ハバナでのボンドガール「ジンクス」の登場シーンなどは、昔ながらの007。Qの秘密兵器工場も良い感じでした。だんだんとダメになっていくのは、アイスランドに入ってから。

 透明になるアストンマーティンや、ジャガーとの派手な氷上カーチェイスも面白いということにしても、あの派手な宇宙からの熱線攻撃はちょっとハリウッド過ぎます。それに氷の宮殿もうそ臭くて、もう少し何とかならないのかと思いました。

 しかし単純にアクション映画として見れば、面白かったと思います。問題はこれをスパイサスペンスとして見ると、物足りないということでしょうね。僕は007シリーズは純粋娯楽映画だと思いますから、時代に合わせてこういう作品になったということも前向きに捉えた方が良いとは思います。ちょっと寂しいけど。



  今回の木戸銭…1200円