口唇炎

作成 たらお皮膚科
口紅が原因と考えられる口唇炎 アトピー性皮膚炎の口唇炎および口角炎
(色素沈着を伴う)
アトピー性皮膚炎の
口唇炎および口角炎
アトピー性皮膚炎の
口唇炎および口角炎
(色素沈着を伴う)
病名 原因・症状
接触性口唇炎 口紅、リップクリーム、マニキュア、リムーバー、歯磨、チューインガム、
マンゴ、キューイフルーツ、やまいも、いちじく、醤油などの調味料など。
トピー性の口唇炎 口唇の乾燥、亀裂、鱗屑(皮めくれ)が主な症状で、口唇周囲の皮膚もカサカサすることが多く、
口唇およびその周囲に色素沈着をみることが多い。他の部位に湿疹がなく口唇のみのアトピーもある

口角部では乾燥がひどくなると、亀裂を生じ、口角びらん(口角炎)の状態になる。
光線口唇炎 日光に当たって主に下口唇に発赤、腫脹、水疱、びらん、痂皮(かさぶた)、
カサカサ、亀裂などをみる。
剥脱性口唇炎 落屑(皮めくれ)や湿潤性の痂皮(かさぶた)。口唇に限局するのが特徴。重症例は難治性。
肉芽腫性口唇炎 下口唇に多い。持続性のやや硬い腫脹で巨大口唇になる。
形質細胞性口唇炎 下口唇に多い。治りにくい暗紫色のびらんの局面を形成。診断は生検が必要。
特異的炎症による口唇炎 結核性、梅毒性。生検や細菌学的検査が必要。
腺性口唇炎 単純性と化膿性がある。まれ。


口唇炎の原因はさまざまですが、99%はアトピー性の口唇炎または接触性口唇炎です。それ以外は稀です。
治療法は病名ならびに原因によってちがいますが、私は原因の除去につとめ、原則的には、ステロイドは使用しません。

最も多いのはアトピー性皮膚炎の口唇の病変です。上下口唇および口唇の周囲の皮膚に、乾燥、亀裂、鱗屑(皮めくれ)をみます。またしばしば、口唇にそばかす位の大きさの斑点状の色素沈着や口唇からその周囲の皮膚にかけて、びまん性〜不規則な色素沈着をみます。かゆみはあまりありません。口角部では乾燥がひどくなると、亀裂を生じ口角びらん(口角炎)の状態になります。