ねこさまQ&A

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目次

〈1〉ネコの本能と習性
狩猟本能、運動能力、習性、睡眠など

〈2〉ネコの不思議な行動
予知的行動、自傷行動、過剰反応、貯食本能、帰巣本能など

〈3〉ネコと飼い主のコミュニケーション(1)
ネコと人間の関係 ゴロゴロ、スリスリ、モミモミ、ネコのおみやげ、わがまま、好き嫌い

〈4〉ネコと飼い主のコミュニケーション(2)
自己主張、爪とぎ、咬み猫、環境の変化、家族の変化、動物の友達、飼い主の出産など

〈5〉ネコのからだと感覚
感覚器官(鼻・目・耳・舌・ヒゲ)の働き

〈6〉ネコの心理と表情
シッポの働き、鳴き声、表情、体の動きと心理、知能

〈7〉ネコと仲良くなる方法
おもちゃ遊び、部屋の遊び、映像、しつけの仕方、鏡テスト

〈8〉ネコの健康管理
危険な食べ物、病気の発見、老化現象、年齢換算、犬猫病院のかかり方、体温の計り方など

〈9〉ネコの結婚・出産・子育て
性行動、妊娠・出産、子猫の成長、親子の本能、子猫の教育、子猫の遊び

〈10〉ネコ同士のコミュニケーション
テリトリー、マーキング、ケンカ、優劣関係、猫の集会、社会行動など

〈11〉ネコのルーツと種類
猫の祖先、日本猫のルーツ、純血種の種類と性格、長毛種、短毛種、三毛猫の性別など



ネコに関する疑問に答えます
〈1〉ネコの本能と習性

いつも明け方になるとやたら元気よく動き回りますがなぜでしょうか?
最近のネコはネズミを捕らなくなったといいますが、なぜでしょう?
外で獲物を捕まえてきても食べずに遊んでいます。お腹がすいてないからでしょうか?
袋が好きで中に首をつっこんでよく遊びます。何に興味があるのですか?
ネコは背中から落としてもちゃんと着地できますが、どうしてできるのですか?
ネコは足音をたてませんが、どういう仕組みになっているのでしょうか?
ネコはしょっちゅう毛づくろいをしていますが、何かわけがあるのでしょうか?
トイレではオシッコやウンチにかならず砂をかけます。どうしてそのようなことをするのでしょう?
ネコはイヌと違って水をかけるとひどくいやがります。なぜでしょう?
ネコが寝ているときときどき体をピクピクさせています。夢を見ているのでしょうか?
ネコが安心して眠れる場所はどこでしょう?
ときどきお腹を出して仰向けに寝ることがありますが暑いからでしょうか?
寝起きはかならず大きなあくびをします。いつも寝不足なのでしょうか?

Q:いつも明け方になるとやたら元気よく動き回りますがなぜでしょうか?

A: 一日の多くをのんびり寝て過ごす猫がやたらに元気になるのが、明け方と夕方です。明け方は飼い主が起きあがらないうちから部屋中をかけずりまわったり、朝ご飯を要求したり大騒ぎです。夕方は再び活発になって猫の集会などへも出かけることがあります。
 これは野生で暮らしていたころのハンターとしての皿が騒ぐからです。イエネコをはじめとしたネコ類の多くは夜行性ですが、夜になると烏などの動物は巣で寝てしまうし、暗すぎて獲物をあまり見つけられません。そこで、動物が動き出す明け方や、巣に帰る前の夕方が狩りのチャンスになります。この過去の習性がいまだに血に残っているので、たとえ狩りはしなくても、猫は明け方、夕方になると体を動かさずにいられなくなるのです。
 いつもは明け方や夕方にさわがしい猫も、雨の日となると、運動の時間だというのに、昼間のようにウトウトしていることが多くなります。雨が降ると、猫の獲物になるような小動物はあまり外を出歩きませんし、野生の場合、そのためわざわざ狩りに出かけても、あまり成果はあがりませんから、寝て過ごしていざ狩りに出かけるときのエネルギーを温存しようとします。雨が降ると猫がおとなしいのは、狩りを休んで休養する日ということを体が覚えているからなのでしょう。

Q:最近のネコはネズミを捕らなくなったといいますが、なぜでしょう?

A:バネのようにしなやかな肢体、出し入れ自由な鋭い爪、大きくて丈夫な牙、動くものは見逃さない鋭い視覚をはじめとした、とぎすまされた五感・・・。猫の持つこれらの特徴はみな、一瞬のうちに獲物をしとめるためのものです。猫は、数十万年の進化の過程のなかで、体はもちろん、思考も行動もすべて、狩りという目的のために発達させてきたのです。ハンターとして優れた能力を持つ猫は、自然の生みだした芸術品ともいえます。
 猫は耳や口で獲物を発見すると、これからはじまる狩りに向けて全身を緊張させます。視覚で相手をとらえてしのびより、その動きをジッと見当つめ、「チッ」と舌打ちのような音を発します。そして舌打ちをした猫は、電光口火のごとく獲物に襲いかかります。
 このように猫は生まれつきのハンターですが、最近はかっこうの獲物であるネズミを見ても知らん顔したり、じゃれて遊びはするものの、殺さないという猫も多くなりました。さらには、ネズミを見るとおびえる猫さえいます。狩りの方法は母猫から教えてもらうものですが、最近はネズミを見かけるチャンスも減り、学ぶ機会を持てない猫がいるのでしょう。さらに、キャットフード暮らしで、食べ物をハンティングするという意識が少なくなったということも、ネズミを捕らなくなった理由のひとつと思われます。

Q:外で獲物を捕まえてきても食べずに遊んでいます。お腹がすいてないからでしょうか?

A:猫は獲物をとらえたら、一瞬のうちにかみ殺します。ところが飼い猫の場合、獲物をとってきても、おもちゃのように前足でいじったり追いかけまわしたりして遊んでいることがあります。生殺しの状態でかわいそうにと、ちょっと獲物に何情したくもなります。餌を与えてもらっている飼い猫は、狩りという本能的な衝動を満足させることがなかなかできません。そのうっぷんが、過剰に獲物をもてあそぶという行動に向かわせているのではないかと考えられます。
 獲物を攻撃するという行動自体は、遺伝子に書き込まれた本能によるものですが、獲物を殺したり食べるという行動は、母猫から教わります。母猫は、まず殺した獲物を子猫に与えて、それを食べることを教えます。次に、生きた獲物を与えて、殺すことを教えます。このような学習を受けていない猫は、獲物をとっても、どうしていいかわからずに、ついもてあそんでしまうことがあります。

Q:袋が好きで中に首をつっこんでよく遊びます。何に興味があるのですか?

A:ガサガサ、カサカサという音が聞こえるから何かと思うと、猫がデパートの紙袋やスーパーのビニール袋に入ってバダバタしている・・・。猫を飼っている人なら、こんな光景を見るのは一度や二度ではないはず。
 袋に興味を示すのは、まず猫があの“ガサガサ音”を楽しみたいからです。また、あの穴状のものに頭を入れるというのはネズミの巣穴に対する興味と通じる行動なのでしょう。猫は生まれつき、ネズミの穴にたいへん強い関心を寄せています。野ネズミの巣穴だけでなく、ネズミの出入りロになっている壁の穴にも、猫は興味津々です。だからたとえネズミの匂いがしなくても、紙袋であろうとバッグであろうと壺であろうと、穴を見つけた途端、猫の好奇心がムクムクと頭をもたげてくるのでしょう。
 また、猫が関心をよせるのは、穴だけではありません。ありとあらゆるものに、好奇の目を向けます。たとえば、はじめて行った場所は、隅から隅までていねいに、鼻をクンクンさせて匂いをかぎまわります。いつもの家なのに、家具の配置を変えただけでも「アレッ」という顔をして、探索を始めます。飼い主が新しいものを持って帰れば、それもクンクン匂いを嗅いで、不審なものではないと確認すれば、それでひと安心です。
 探索しているとき、危険な目やいやな目にあうと、猫は二度とそれをしなくなります。たとえば火のついたコンロのすぐ横を通り、毛がチリチリ燃えるというようなことがあると、次からは火のついたコンロには近寄らなくなります。いやな目にあったことを二度としないのは、危険にあふれる自然界で生き残るための知恵といえるでしょう。

Q:ネコは背中から落としてもちゃんと着地できますが、どうしてできるのですか?

A:猫は屋根や塀の上などの高い場所にポンポーンと何回かに分けて飛び乗り、1回でピョンと飛び降りることがあります。それでも、足をくじくでもなく着地し、平気な顔をして歩いていきます。この驚くほどの着地ができるのも、猫の優れた平衡感覚のおかげです。
 平衡感覚をつかさどっているのは、耳の奥にある三半規管という組織です。猫はこの組織がよく発達しているため、飛び降りているときも、地面に対して顔がどの向きになっているか正確に把握でき、常に頭を上に向けられます。それにつれて体も下向きになるので、頭から地面に激突することなく、無事着地できるわけです。
  ヨガの達人も驚くほど、あらゆるポーズを変幻自在にこなす猫ですが、この柔軟さは、四肢の関節の柔らかさもさることながら、弓のようにしなやかに曲げられる背骨があるからこそ生まれるものです。猫は猫背といわれますが、これは座ったり丸まって寝ているときのことで、歩いているときは背骨をピンと伸ばしています。しかし急に走ったりジャンプしようとするときは、まず背骨を丸め、これを一気に伸ばします。背骨にためたエネルギーが一気に放出されることで、猫のすばらしい瞬発力が生まれるわけです。そして、この背骨はクッションの役目も果たします。ジャンプ後の着地の際や、獲物に飛びついたときに、丸めた背骨がその衝撃を吸収してくれるのです。

Q:ネコは足音をたてませんが、どういう仕組みになっているのでしょうか?

A:猫の歩き方は、抜き足、さし足、しのび足、音もさせずに、ひっそりと歩きます。人間のようにバタバタ歩いていては、獲物に気づかれて狩りができません。音のあるなしだけでなく、猫の歩き方をよく見ると、人間とはずいぶん違うことに気づくはずです。猫は、人間でいうとつま先立ちで歩いてます。地面についている部分の上にある、肘のように曲がった部分は、足の踵に当たります。人間も走るときにはつま先立ちになるように、猫がつま先立ちでいるのは走るのに便利だからです。そのかわり、なにしろつま先立ちなので、長距離を歩くのはとても苦手です。
 そのつま先立ちになった猫の足の地面につく部分には、肉球(パッド)という弾力性に富んた特殊な組織があります。梅マークのようなやわらかい肉球は、歩いたり走ったりしたときに足に伝わる衝撃をやわらげる、クッションの役割を果たしています。この肉球のおかげで猫はひっそりと音を立てず歩くことができるのです。また肉球には汗腺があり、汗が肉球に適度な湿り気を与えるため、滑り止めの役目もあります。猫は不安定な場所でも器用に歩いて渡っていくことができるのも、足をつけている場所の感覚が、敏感な肉球に伝わるからなのでしょう。

Q:ネコはしょっちゅう毛づくろいをしていますが、何かわけがあるのでしょうか?

A:食事の後や昼寝から目覚めたときなど、猫は暇さえあれば、自分の体を熱心になめています。猫が毛づくろい(グルーミング)する目的のひとつは、抜け毛や毛についたゴミを、丁寧に取り除くことにあります。猫の舌は小さな突起がたくさんついていて、ザラザラしています。この突起は喉に向かって生えているので、抜け毛やゴミをブラシのようにうまくからめとることができるのです。
 ところで、猫が神経質すぎると思われるほどグルーミングをするのにはわけがあります。単独で狩りをする猫は、自分の感覚だけが頼りで、ヒゲも毛も含めた全身の感覚をとぎすませていないと、狩りは成功しません。そのため、毛が汚れていたり、よけいなものが付着して、感覚が鈍ってしまわないよう、常にきれいな体を保っておく必要があるのです。また、一方で体をなめることには、皮膚をマッサージして、神経を鎮める効果もあります。失敗したときや興奮した後に体をなめるのは、それによって自分の気持ちを落ち着かせるためです。
  でも、猫の綺麗好きは、ときに危険を呼ぶこともあります。毎日抜け毛をなめて処理しているので、胃の中に毛玉ができることがあるのです。毛玉ができても、猫は自分で吐き出しますが、そのときにおう吐が続き、脱水症状を起こすこともあります。また吐き出せないでいると、毛玉が大きく堅くなり、手術が必要なこともあります。毛玉をウンチと一緒に出させるフードなどが市販されていますで、利用するといいでしょう。

Q:トイレではオシッコやウンチにかならず砂をかけます。どうしてそのようなことをするのでしょう?

A:水洗トイレでオシッコやウンチをするという、他の猫の飼い主がうらやむような変わり者もいますが、基本的に猫の排泄場所はあくまで砂の上です。これは遺伝子にインプットされているらしく、子猫は家のなかに砂があればそこが排泄場所だと理解できます。さらに、一度オシッコやウンチをした場所をトイレと決めるので、排泄のしつけは比較的簡単です。
 砂の上でオシッコやウンチをした猫は、その後前足で丁寧に砂を掛けます。家のなかに設置したトイレでも、トイレ砂や砂がわりのちぎった新聞紙などを、ザッザッと引っかき回します。特にウンチをしたときは、より丁寧に砂を掛けたがるものです。
  猫の砂かけ行動は一般には、オシッコやウンチの匂いを隠すためだと言われてきました。オシッコやウンチの強烈な匂いを残しておくと、敵や獲物に自分の存在を知られてしまうからです。しかし最近は、詳細な野猫の行動調査から、その地域で勢力をふるっているボス猫は、砂を掛けないことがわかってきましたした。このことから、社会的地位を気にしている劣位の猫が、ボス猫に対する遠慮から、砂をかけるのではないかとの説が出てきています。もしそうなら、家のトイレで砂をかける猫たちは、大きくて食べ物をくれる飼い主を、自分より優位な存在と認めていることになるのでしょう。

Q:ネコはイヌと違って水をかけるとひどくいやがります。なぜでしょう?

A:猫は、うっかり足に水がついただけでも、あわててプルプルと足を振っていやがるほどの水が大嫌いです。全身ズブ濡れになるシャンプーなど、よほど子猫時代から慣れさせていない限り、飼い主がひっかき傷だらけにされるのがオチです。
 水が苦手なのは、猫が熱帯の砂漠出身だからです。砂漠はもともと水が少ないうえ、昼と夜の温度差が大きく、もし体が濡れてしまうと、気化熱で体温が奪われ、寒い夜を無事に過ごすことはできません。だから猫は、水で遊んだり、水をかぶって体を洗うより、砂の上に寝ころがってドライシャンプーするほうが、ずっと好きなのです。
 外で夕立にあって帰ってきたときや、ノミがいるため仕方なくシャンプーさせた後などの猫は、すっかり様変わりします。綿菓子のようにフワフワした体はどこへやら、濡れた被毛が体にべったりついて、みじめな濡れネズミ状態になってしまいます。このように濡れネズミになってしまうのは、猫の被毛が水をはじくことができないからです。
 猫や犬の被毛は保温効果のある下毛(綿毛)と、それを守る上毛(刺毛)の二重構造になっています。犬などの上毛は固く、脂分がついていて、防水性に富んでいます。そのために、柔らかな下毛が、雨に濡れたり、藪などで傷つけられることを防ぐことができます。ところが、雨や藪の少ない砂漠出身の猫の場合、上毛も下毛と同じように柔らかく、防水性もあまりありません、夜になると極端に寒くなる砂漠の生活では、上毛で下毛を雨などから守るより、上毛も下毛と同様に保温の役目をしたほうが有利だったからなのでしょう。

Q:ネコが寝ているときときどき体をピクピクさせています。夢を見ているのでしょうか?

A:うちの猫はいつも寝てばかり。たまに寝言を言ったり、体をピクピクさせたり・・・と、猫の眠っている姿しか覚えがないという人も多いのではないでしょうか?猫の睡眠時間は14時間。1日の3分の2近くを眠って過ごします。ただし、熟睡しているわけではなく、コトリと物音がすれば、即座に目を覚ます緊張感を持ち合わせています。この睡眠のとり方は狩りをしたり敵と争っていた野生のなごりです。
 14時間のうち、シッポを持ち上げても、お腹を引っ張っても目を覚まさない熟睡状態(ノンレム睡眠)と、体だけが眠り、脳は起きている浅い眠り(レム睡眠)が交互にくりかえされます。ノンレム睡眠は6、7分、レム睡眠が30〜60分、心身ともに休んでいるのはノンレム睡眠時で、トータルで3時間程度です。いかに猫の眠りが浅いかがわかるでしょう。
 体をピクピクさせるはレム睡眠時のできごとです。レム(REM)とはラピッド・アイ・ムーブメント(Rapid Eye Movement)の略で「すばやい眼球運動」という意味で、よくよく眠っている猫の目を観察してみると、眼球が動いているのがわかるはずです。人間の場合はこのレム睡眠時に夢を見ますが、猫もおそらく同じではないかといわれています。特に子猫にとってこのレム睡眠時は、脳の中枢から他の部位に刺激が送られて、新しい神経がつくられる大事な時間だと考えられています。

Q:ネコが安心して眠れる場所はどこでしょう?

A:1日の大半を寝て過ごすので、猫は寝場所にとてもこだわります。猫が好む寝場所のひとつは高いところです。高いところが好きなのは、かつて森のなかで暮らしていたために、木の上を安全で快適な場所だと思っているからでしょう。木の上なら、おそろしい敵からの攻撃を受けにくく、安心して寝ることができます。都会生活でも、近所のボス猫や吠えかかる犬、騒がしい子供たちなどの“敵”が、いつあらわれるかわかりません。高い場所なら、これらの襲来をいちはやくキャッチでき、必要ならさっさと退散できます。
 暖かいことも、快適に寝るための重要な条件です。さんさんと陽の注ぐ屋根の上などは、猫にとって最高の場所かもしれません。室内なら、テしビや炊飯ジャーの上が好きという猫も多いはず。とはいっても夏は、さすがの猫も暑くてたまらず、できるだけ涼しい場所を探します。大好きな飼い主の匂いのする場所も、とても安心して眠れるお気に入りの場所になります。人の膝の上を寝場所にしている猫も多いはずです。また、箱状のものにすっぽり体を納めると、猫は安心して眠ります。
 寝場所を探して木の上などの高い所に登っても、たいていの猫は自分で降りられますが、子猫や肥満猫、あるいはカラスなどに怯えていると、降りられなくなることがあります。こんな場合は、まずは猫が自分で降りる方法を探しだすまで侍ってあげましょう。どうしても降りられないようなら、梯子をかけて人間が救出してあげるしかありません。

Q:ときどきお腹を出して仰向けに寝ることがありますが暑いからでしょうか?

A:「猫のように丸くなって寝る」と表現することがあるように、猫といえば背中を丸めて寝ている姿がいつもの光景です。けれど猫は、丸まって寝るだけでなく、いろいろな寝相を見せてくれます。
 丸くなって寝ているのは、実は寒いとき。頭と足を一緒にして、お腹につけて丸くなれば、体温が逃げるのを防げます。シッポの長い猫なら、シッポを体に巻けばマフラー代わりになり、とっても暖かです。砂漠生まれの猫は寒がりなので、人間ではそれほど寒く感じなくても、気温が15度くらいに下がると、もう丸くなって寝ます。
 気温がもう少し上がると、固く丸まった猫の体が、少しずつゆるんできます。さらに暑くなると、猫は全身を伸ばして、ダラーッと体を横たえて寝ます。猫の寝相は、まるで温度計のようです。
 家の中は比較的温度が安定しているうえ、安心して寝られる場所なので、これはもう好き勝手の寝姿を見せます。仰向けになり、お腹丸出しのしどけない姿で寝ていることもしばしばです。お腹を出して寝ているのは、猫が非常にリラックスしている証拠です。お腹はやわらかく、無防備なところなので、外敵に襲われたらひとたまりもありません。第一仰向けの姿勢で寝ていては、万が一敵が現れて、逃げたり戦ったりしなければならないとき、態勢を立て直す時間が必要なので、とても危険です。ですからいつ敵が現れるかわからない戸外などでは、めったにお腹を出して寝ることはありません。
 同様に家の中でも、お客さんが来て多少緊張しているときは、こんな姿は見せません。猫の寝相は、リラックス度の指標でもあるのです。

Q:寝起きはかならず大きなあくびをします。いつも寝不足なのでしょうか?

A:猫は眠りから覚めると、まずは伸びをして大あくびをします。「たっぷり寝ていたのに、まだ寝足りないのか」とあきれる人もいますが、それは誤りで、まだ眠いのでも、退屈しているのでもなく、起きぬけの大あくびには、とても大切な意味があるのです。
 寝ているときは呼吸数が減り、体に取り込む酸素量が少なくなっています。そのため起きぬけは、脳に送られる酸素が不足ぎみで、頭がボーッとしてしまいます。脳がしっかり活動していないと、敵の襲来や獲物の影をすばやくキャッチできず、敵に攻撃されたり獲物をとり逃してしまうかもしれません。そこで、起きたらすぐに脳が活発に働けるよう、大あくびをして大量の酸素を取り込み、脳に送っているというわけです。
 人間が使う場所で猫が寝ていたりして、無理矢理猫を起こすことがありますが、睡眠を邪魔された猫は、すぐにその場を立ち去るわけではなく、何度もあくびを繰り返します。このときのあくびは、起きぬけのあくびとは少し意味合いが異なります。猫は、せっかくよく寝ていたところを起こされて、機嫌が悪くなっています。こんなストレスを受けた猫は、自分の気持ちを落ち着かせようとして、あくびをしているのです。
 ちなみに、社交性の強い犬では、他の犬が自分に対して興奮しているようなとき、相手を落ち着かせるためにあくびをして見せることもありますが、猫は単独生活なので、相手を洛ち着かせるためにあくびをすることはないようです。

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