幹事クリタのコーカイ日誌2008

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7月4日 ● おバカタレントよりも問題だと思う。

 ここのところ視聴率ランキングを見ていると、ドラマの復権が目立ちます。『篤姫』『CHANGE』に終わってしまった『ラスト・フレンズ』『ごくせん』が軒並み20%前後。もちろんかつて30%を超えた頃を思えば低いとも言えますが、テレビ離れが進んでいる昨今、20%取れれば十分でしょう。

 それに比べてバラエティ番組が冴えません。お笑い芸人のネタ番組とクイズ番組ばかりで、作り込んだバラエティ番組がとても少ないというテレビ局の企画の安易さが、ここにきて視聴率に反映されてしまっているだと思います。

 『エンタの神様』『爆笑レッドカーペット』などのネタ見せ番組は、本当にここにきて一気に賞味期限切れになってしまいました。新しく出てきた芸人のネタも、みなどこかであったものを仕立て直してもってきただけで、オリジナリティが全然感じられません。芸人とギャグの使い捨て感が顕著で、見ているこちらが痛々しく感じるほどです。

 そんな芸人たちも参加しているクイズ番組のつまらなさ具合はもっと痛々しいです。『ヘキサゴン2』『ネプリーグ』など、先行したクイズ番組はまだ企画も練られているし、安定感があって品質も保たれていますが、この春から始まったようなお手軽に作った感じのするクイズ番組は、どれもこれも似たり寄ったり。出てくる解答者も同じならトークの内容も似ていて、どれがどの番組なのか区別がつきません。

 僕はよく批判のある人気の「おバカタレント」はそれほど気になりません。むしろその無知さ加減と一生懸命さが清々しくもあります。それよりも大して難しくもない問題に答えて「すごい」とか「賢い」とか評判を得ているタレントの方が気になります。これもどこでも似たようなタレントが「賢い」担当になっているのですが、おバカタレント同様にどれくらい演出が加わっての「賢さ」なのかわかりませんが、その「賢さ」のレベルがやたらと低いのです。

 特に東大や早大など有名大学を出ている「高学歴タレント」のバカさ加減には本当に腹が立ちます。野球ばかりやっていたタレントや、子どもの頃から芸能活動をしているタレントがモノを知らないのは「仕方ない」と思いますが、一応ちゃんと勉強したはずの東大生が、なんでそんなことも知らないのかと思うと、大げさに言えば日本の将来を思って暗澹としてしまいます。

 これは恐らく流行りの「おバカタレント」を下限に設定したため、上限もそれに合わせて引き下げられてしまったからでしょう。昔なら「常識」が今では「良く知っている」になり、昔なら「良く知っている」は今や「そんなこと誰も知らない」になってしまいました。そうやってテレビが「賢さ」のハードルをどんどん下げていくと、本来ならきちんと学んで「知識人」にならなければいけない人たちが、「この程度でいいや」と安易に考えてしまいそうです。

 グラビアアイドルが「おバカ」でも誰も困りません。それは彼女たちの仕事に直接関わってこないし、期待もされていないからです。でも本来賢くなくてはならない高学歴の人が「普通」なのは困ります。本人たちにその自覚があるのでしょうか?