幹事クリタのコーカイ日誌2008

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1月14日 ● 全豪オープンテニスと日本人選手。

 今年最初のグランドスラムである全豪オープンテニスが開幕します。注目は何と言ってもロジャー・フェデラーの年間グランドスラム制覇なるかにあります。ここ2年連続で全豪・ウィンブルドン・全米を制しながら、全仏でラファエル・ナダルに決勝で敗れてきましたが、後一歩のところまではきています。フェデラーより若い世代がどんどん台頭してきている中、もしかしたら今年がグランドスラムへのラストチャンスかも知れません。その第一歩である全豪を確実に制したいところでしょう。

 対抗はもちろん2シードのナダルですが、躍進著しい3シードのジョコビッチも侮れません。他にもフェレールやロディック、ナルバンディアン、ブレーク、ダビデンコ、マレー、ガスケ、ゴンザレスなど多士済々の第2集団がフェデラーの隙を突こうと狙っています。今の男子テニスはフェデラーがダントツとは言え、層は厚いだけに決して安心はできないことでしょう。

 女子はやはり1シードのエナンが抜けています。プレーの安定感では他の追随を許しません。敵は自分自身の体調でしょう。小さな体を目一杯使ってプレーする選手だけに、故障と紙一重のデリケートさがエナンの弱点。体調管理さえ万全なら彼女の優位は動きません。

 エナンに対抗するのは2シードのクズネツォバ、ではないでしょう、なにせ彼女はエナンが大の苦手。それよりも3シードのヤンコビッチ、4シードのイバノビッチの2人のセルビア勢の勢いを買いたいと思います。後は何と言っても旧女王勢。5シードのシャラポワや、7&8シードのセレナとヴィーナスのウィリアムズ姉妹の方がエナンにとっては強敵でしょう。特にセレナは全豪を得意としているだけに怖い存在です。大穴はモーレスモ。昨年絶不調で18シードまで下がってしまいましたが、持っているポテンシャルの高さはエナンに負けません。

 相変わらずの優勝争いはさておき、寂しいのは日本人選手。男子は予選に鈴木貴男、添田豪、本村剛一の3人が挑戦しましたが、あえなく枕を並べて討ち死に。女子も多くの選手が予選に挑戦したものの一人も本戦には進めず、結局シングルスに出場するのはストレートインの杉山愛、中村藍子、森上亜希子の3人だけ。しかも杉山がシード落ちしてしまっために、全員1回戦敗退の危機です。

 杉山の緒戦の相手はベラ・ズボナレバ。かつてはTOP10に入っていた強豪選手で今回も23シード。もちろん杉山の力なら勝てない相手ではありませんが、格上の強敵には違いありません。森上の相手は新鋭のクライチェク。まだ19才ですがランキングは森上よりも上です。そして中村藍子は1回戦でエナンと対戦することになってしまいました。全員が自分よりもランキングが上の選手と対戦することになるなんて、実にドロー運に恵まれていませんでした。

 全豪はアジア太平洋のグランドスラムと銘打っているので、アジアの選手もたくさん参加しますし優遇もされています。それなのに、日本選手のこの状況は寂しすぎます。杉山のダブルスくらいしか楽しみのない全豪になってしまいました。