幹事クリタのコーカイ日誌2006

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8月27日 ● 自己主張する世の中。

 村上ファンドは「もの言う株主」を標榜していました。今までの日本人は我慢こそ美徳と思い、言わなければならない場面でも黙って耐えてきたので、そのために改善されずに見過ごされてきたところもたくさんあったことでしょう。

 パロマの給湯器だって「修理じゃダメだから交換しろ」と強く大家に言っていれば死なずに済んだかも知れないし、プールの排水口だって「柵が外れて危ない」としつこく言う人がいれば、痛ましい事故は起きなかったかも知れません。

 主張するのが苦手な人は、言えば「クレーマー」と後ろ指さされてかえって辛い目にあうかも、なんて考えてしまって、ついつい我慢してしまった経験が多々あるのではないかと思います。

 ただですね、僕にしてみればそういう我慢してしまうことが全て「悪癖」だとはやはり思えません。むしろそれはやっぱり「美徳」なのではないかと思うのです。もちろん、危険を放置している相手に対して警告するのは必要です。そういう主張はどんどんしていけば良いと思います。ただ、一歩間違えると自己利益確保のためのわがままでしかない主張が世の中にはびこり始めるのです。

 いわく「私は悪くないのに損をした」「私が我慢するなんておかしい」「私は不快なんだから何とかしろ」という主張に変質をはじめ、最後には「ダメでもともとで言ってみよう」になります。最初は義憤でも、最後は自分さえ良ければ他の人がどうなろうが関係ない、構わない、ということになってしまうのです。

 「自分さえ良ければ」と思わずに、他人を思いやってお互いに少しずつ我慢すれば、どれだけ過ごしやすい温かい社会ができることか。でももうこの世の中の流れは逆には進まないでしょうから、言っても詮無いことですね。


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