幹事クリタのコーカイ日誌2006

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1月23日 ● 殊勲賞の基準。

 大相撲初場所は栃東の13場所ぶりの優勝で幕を閉じました。この間に2度も大関から陥落しながら、そのたびに返り咲いた栃東の復活優勝、そして来場所は綱取りを目指すという話は、日本人力士が弱い昨今、嬉しいニュースだと思います。

 さて、今場所密かに僕が注目していたのは殊勲賞が誰に与えられるか、ということ。候補は恐らく3人いました。1人は2日目に朝青龍を倒した黒海。4日目に魁皇、5日目には琴欧州をもなぎ倒し、黒海は今場所前半の台風の目として活躍、1横綱2大関を倒し千秋楽に勝ち越しました。

 2人目の候補は雅山。何と言っても9日目に全勝の栃東を下した一番が大きいです。14勝1敗の優勝力士の唯一の黒星をつけた平幕力士ですから、普通なら殊勲賞の最有力候補です。雅山はその前にも魁皇、千代大海の両大関も倒していますし、3大関に土をつけたあたりはさすが元大関の実力です。

 そして3人目は白鵬。12日目に朝青龍にとどめをさす黒星をつけました。千秋楽に琴欧州も倒していますし、不戦勝とは言え魁皇からも白星を挙げているので、一応白鵬も1横綱2大関に勝ったことになります。

 僕はこの中ではやはり雅山が殊勲賞かなと思っていました。優勝力士のただひとつの黒星の相手です。これ以上の殊勲はありません。ところが相撲協会は白鵬に殊勲賞を決めました。これは意外でした。今場所の白鵬は13勝を挙げて準優勝。三賞全てやっても良いくらいの大活躍でしたが、その中で敢えて殊勲賞と言うのは、実は他の受賞者とのバランスを考えたからではないかと思います。

 白鵬以外に今場所最後まで優勝争いに加わった北勝力、時津海は下位力士のため殊勲賞は無理です。それで2人に敢闘賞と技能賞を与え、白鵬に残り物がいったというところでしょう。その結果、上位を倒した内容としては上回るはずの雅山や黒海が割を食ってしまいました。

 もちろん、白鵬とて殊勲賞に相応しくないわけではありません。特にあの小手投げで逆転勝ちした朝青龍戦は、単なるひとつの白星にとどまらず、朝青龍の右腕をぶっ壊した(肉離れらしいです)ことで、完全に朝青龍の8連覇を砕いた大きな1勝になりました。そういう意味では殊勲賞にかなう活躍ではあったわけですが、それならせめて雅山と同時受賞でも良かったのではないかと思ってしまいます。

 敢闘賞に34歳の幕尻北桜を選ぶ(結果的には北桜はチャンスを逃しましたが)「目」があるのなら、徐々に復活してきた元大関の踏ん張りにも華を添えて欲しかった気がします。まあ「元大関」が「現大関」に勝ったからと言って、安易に殊勲賞は与えられないというのなら、それはそれでまたひとつの見識だとは思いますが。


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