ご存知のようにドラマ『プライド』の撮影中にエキストラの女性が怪我をするという事故がありました。怪我をさせたのは主演俳優の木村拓哉さんです。それも撮影中の避けられない事故というものではなく、撮影の合間にふざけてアイスホッケーのパックをエキストラの方に打ち込んでいて怪我をさせたということで、明らかに、かつ全面的に木村さんの不注意によるものだと思われます。彼は業務上過失傷害罪にあたるのではないでしょうか？木村「さん」ではなく木村「容疑者」が適当なのかも知れません。

　木村容疑者は逮捕こそされていませんが、少なくともこういう不謹慎な事故があった以上、ドラマを中断するか、木村容疑者が謹慎するか降板するか、せめて一週くらいはドラマを休んで反省の意を表明するか、何らかの「けじめ」があっても良さそうなものですが、フジテレビは平然と今後も『プライド』を放映し続けるようです。一体、若い女性の顔を傷つけたことにどう木村容疑者やフジテレビは責任を取るつもりなのでしょう？

　なんて書きましたが、実際こんな投書を新聞にしたってまず掲載されることはないでしょう。もちろん相手がキムタクだからです。彼が起こした事件でなければ、今ごろマスコミは大騒ぎ、週刊誌やワイドショーはバッシングの嵐という事件だと思います。でもそんな様子は微塵もありません。誰も「なかったこと」のように振る舞っています。

　いかにジャニーズ事務所の力がマスコミに対して強大か、ということを、これほど端的に示している事件もありません。どのワイドショーも取り上げられないのは、少しでもキムタクに批判的なことを言おうものならその局から全てのジャニーズタレントが引き上げられてしまうからです。

　ＳＭＡＰのメンバー5人全員が今クールにドラマで主演しているように、今のテレビ界ではジャニーズタレント抜きに番組作りは考えられません。ましてその頂点に君臨するキムタク様が起こした事件です。想像を絶するピリピリした空気が漂っていることでしょう。

　それにしてもつくづくテレビというのは、その影響力の大きさの割には脆弱なメディアだと思います。商売であることはわかりますが、もうちょっとシャンとしていて欲しいですね。