ヤクルトの石井一久がロサンジェルス・ドジャースに入ることになりました。15億円という入札額もなかなか大したものですが、それよりもドジャースという球団に決まったことは、石井にとってなによりの朗報でしょう。

　日本人選手はやはり日本人が多い西海岸のチームの方が何かと暮らしやすく便利な上に、ドジャースには古巣に復帰した野茂がいます。監督も投手コーチも日本のプロ野球経験がありますから、何かと石井にとっては理解してもらえて楽でしょう。さらに好都合なことに、ドジャースは昨シーズンの勝ち頭の朴が移籍して先発投手陣が不足している上に、左腕の先発はいないという状態で、石井がローテーション入りできる条件が十分に揃っています。

　石井とともに、オリックスの田口も名門セントルイス・カージナルス入りが決定、ますますメジャーリーグは日本人選手で賑やかになってきました。特に西海岸には、ロスに野茂と石井、サンフランシスコに新庄、シアトルにイチローと佐々木と人気選手が揃いました。アナハイム・エンゼルスの長谷川が解雇されてしまったのは残念ですが、西海岸にメジャーリーグ観戦ツアーに出かけるのも一段と楽しくなることでしょう。

　それに引き換え、日本のプロ野球は話題に乏しいままキャンプインを迎えそうです。わずかに星野監督が阪神に移ったことくらいが注目すべき出来事で、巨人vs阪神に加え中日vs阪神も遺恨試合になりそうです。加えて谷繁と中村の移籍で中日vs横浜もインサイドワークの駆け引きがジメジメとした感じに面白そうです。逆に言えばそれくらいしか見どころがないというのは、本当に危機的状況で、今年はサッカーＷ杯にすっかり話題をさらわれて、プロ野球史上に残るような悲惨な1年になるのではないでしょうか。

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